第3回 銀座 ISHIDA+幸稲荷
2007年 月 日発売号
   銀ぶらデジュネ
「銀ぶら」。なんて懐かしい言葉でしょう!
 音感も昭和初期ロマン風で、メローな雰囲気が漂います。今週はちょっと大人の気分で、銀ぶらとしゃれてみましょう。
 銀座はほとんどの通りが並木道で、新緑が爽やかです。外堀通りは柳、花椿通りはハナミズキが町並みを優しくしてくれています。並木通りはシナノキ。風月堂とシャネルの角を曲がるとコブシのみゆき通り。ウインドウ・ショッピングで、今年の流行は? などと最新ファッション情報を仕入れるのもまた良し。
中央通りでは日本で1番高価な地面を踏んで、松屋を過ぎ、伊東屋。ありとあらゆる文具がそろっていて、つい寄りたくなってしまいます。ボールペンを1本、300円。カルチェを見てマロニエ通りを再び並木通りへ出ると、つくづく、銀座の通りは世界でも一流だな、特にこの並木通りは、豪華さでもシックな装いでもパリのサントノレやミラノのモンテ・ナポレオーネに引けをとらないぞ。などと、ちょっと得意な気分になります。
1ブロック行けば、銀座エンド、桜通りに出る少し手前、古い日本が突然顔を出したような、真っ赤な鳥居があるではありませんか。「幸稲荷」の掲額。覗いてみれば、奉納供物の1升ビンが2本。ちゃんと銀座村の鎮守さまとして日々機能しているようです。さすが銀座は奥が深い。
 稲荷の脇には、さらに歴史と奥深さとを見せつけるような路地があります。路地を辿り、出たところに、今度はトリコロールのフランス国旗がはためいていました。
 フレンチ・レストラン「ISHIDA」です。店内はモダンな抽象もようの壁画と大きな活け花がアンチームな明るさを作っていて、プロヴァンスの風が吹いているよう。
「友人の増島豊司画伯に店内の壁を描いてもらいました」とオーナーシェフの石田淳一さん。銀座にオープンして6年目。「毎日、築地で、鮨ネタに使うような材料を入れています」と自信満々でした。

FOOD
デジュネA 野菜のポタージュまたは野菜サラダ 本日の鮮魚料理または豚肉のコンフィ じゃが芋ピューレ添え タルトとシャーベット コーヒー 1260円。グラスワイン420円。2杯目から525円。
土日休日はデジュネB2100円より。
(レストランISHIDA中央区銀座1-6-6 tel:03-3538-3432月曜休、月曜が休日の場合火曜休)
*その後、デジュネのメニューと料金が改訂されました。

SPOT
一位幸稲荷大明神 徳川中期、このあたりは太刀を売る店が多く、太刀売り稲荷として建立された。その後荒廃したが、貧乏な老夫婦が、再建して幸が訪れたことから、幸稲荷と改称した。

close
mail ishiguro kenji