第261回 【 2019 何を叫ぶか? 】 ムンク展
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話しは変わりますが、都美術館で開催中の[ムンク展]が人気で、昨年末ですでに50万人が鑑賞したそうです。お目当てはもちろん[叫び]です。展示室は光線によるダメージを防ぐため極端に明かりを落としてあり、暗がりの中で人波に揉まれながら絵が発する[叫び]を聴くことになります。
オスロのフィヨルドの日没の空を背景に、この人物は何を叫んでいるのか? 人間が抱えている実存的な不安と孤独と絶望を表現している、という解説が一般的です。が、環境つまり資本主義社会がもたらす格差、疎外、閉塞感など耳を聾する強慾な叫びに反応して、両手で耳を塞いでいる絵なのだ、という説もあります。そして、自然からも社会からも彼自身からも孤立しているのである。(同展カタログの解説より)
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2019年は多難の年のように見えますが、予定は未定に過ぎません。何かが起これば、予定はひっくり返り、崩れた壁の間から明るい光が見えてくるかも知れません。北方四島が返ってきたり、消費税アップが中止になることも! 希望はあります。
[ムンク展]会場の一隅には、絵の前でポーズをとって叫びの自撮りをするコーナーがあり、人気です。黒柳徹子さんも叫んでみせました。
いま、みんな、何かを叫びたいのだと思います。
絵の前でも、どこでも、まず叫んでみましょう!
【ムンク展】東京都美術館(東京・上野公園内)1月20日まで。観覧料1600円、大学・専門学校生1300円、高校生800円、65才以上1000円。中学生以下無料。問い合わせtel:03-5777-8066
写真 ムンクの代表作「叫び」は、版画のほかに4点が現存している。初来日の本作は1910年ごろの作品。オスロ市立ムンク美術館所蔵。
オリンパスOM-D E-M1 MaekU M.zuiko Digital 12-100 mm F4
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