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アメリカではあと10日ほどで、D・トランプ大統領が誕生する。
世界のマスコミが「あり得ない」と決めつけていた破格の大統領だが、フランスの歴史人口学者のE・トッド氏は、「あり得る」ことを予言していた。その根拠は、〈グローバル経済の疲れ〉が世界を襲っていて、貧富の差が激しくなり、アメリカでは35才〜45才の白人の自殺が異常にに増えている。このままではもうもたないことを数字が示しているからだ。
リーマンショックや昨年のイギリスのEU離脱も予言したトッド氏。彼は、このあとの世界をどう見ているか。
まずEUについて。イギリスは離脱の交渉を今年3月からはじめるのだが、急がない方が良いと助言する。そうこうしているうちにEUの方が崩壊するだろうから、と。
EUを事実上牽引してきたメルケル首相のドイツ。その統制ぶりに最初に嫌気が差したのがイギリスだった。次はフランスか、イタリアか。もしかしたら当のドイツかも知れない。
ドイツはスペインやギリシャの財政破綻に対して厳しい財政規律を科してきたが、今、元締めのドイツ銀行が危機に堕ちている。もし破綻すれば、第2のリーマンショックはあきらかだ。
足もとには移民問題がある。安い労働力ほしさに移民・難民を引き受けてきたドイツも、国内の労働格差と、文化の違う移民との確執が限度を超えつつある。これはメキシコ国境に壁を作りたいアメリカの事情と同じだろう。EUを支配してきたドイツ帝国の終わりの始まりだ。あのローマ帝国が滅亡したきっかけも、ドナウ河を渡ってきた蛮族の難民だった、と塩野七生さんが書いている。
一つの世界というグローバルの夢の時代が終わり、それぞれの文化と伝統を保った国家に戻る流れだとトッド氏は語る。ただのポピュリズムや保護主義ではない。ここへ来て、アメリカもトランプという切り札を切ってきたのだ。
日本でいうトランプは、アメリカではプレーイングカード。〈トランプ〉はここぞというときにくり出す勝負札のことである。おりしも日本ではカジノ法案が成立した。ババを引かなければ良いが。
中国について。トッド氏は、急速にしかも途轍もない経済の成長を遂げてきたが、それは膨大な人口を安い労働力として利用してきたグローバル企業の仕業だ。GDPの40〜50%が公的事業によるものであり、個人消費は35%にすぎない。日本やアメリカの60〜70%にくらべて、その歪みは極端である。強い平等意識の文化がある中国では、激しい経済格差は受け入れがたく、地方での暴動・蜂起が絶えないことはすでに報道されている。
加えて、中国は一人っ子政策のつけが回って、逆3角形の老齢化問題を避けられないでいる。
内に問題を抱えた国は、外で緊張を作って国の統一を演出する。
トッド氏は、予測は難しいと控えめだが、カタストロフのシナリオもあり得る、と悲観的だ。
今年6月某日 中国軍1個小隊が漁民に扮して奄美大島に漂着。
その翌日、石垣・宮古に4000人の観光客が来る。
6月Xデイ 尖閣・石垣・宮古へ中国漁船250隻が、機関故障、けが人発生として接岸。
とシュミレーションするのは、元自衛隊士官・恵隆之介氏である。(「沖縄が中国になる日」育鵬社刊)
1889年、清国が日本へ提案してきた「琉球列島3分割案」によれば、「宮古・石垣以西は中国、沖縄本島は独立、それより北は日本領」であった。
与那国島には、現在、自衛隊160名が駐屯している。
果たしてサンアイ・イソバの巨大草履は役に立つのだろうか。
写真 台湾まで111キロ、日本最西端の与那国島は祭りと年中行事の島だ。
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