第205回 「花子とアン」と富岡製糸所 絹の時代の光と影
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明治27年(1894年)富岡製糸所は三井家へ払い下げられた。官営では採算がとれなくなり、殖産の役目を終えたということであろう。
その前年の6月、山梨の安中家に長女はなが生まれた。のちの村岡花子である。(NHKの朝のドラマでは安東家、はなを吉高由里子が演じている)。クリスチャンで理想家の父は、娘を東洋英和女学院へ給費生として編入させる。はな10歳。しかし安中家は困窮をきわめていて、弟妹8人のうち、女児の千代とうめ以外はみな養子に出された。はなの教育の犠牲になった、と花子の孫の村岡恵理が書いている。(「アンのゆりかご」)
日清戦争が始まったのは、はなが東洋英和へ入った翌年である。
はなの父は茶の行商人だったが、ドラマでは生糸の販売をしていることになっている。そして、はなの2歳下の妹かよが、家計を助けるために13歳で製糸所へ入るが、逃げ出してはなを頼って上京、カフェの女給になるストーリーのようだ。実際のはなの弟妹にかよという名前はないが、かよ役はベルリン国際映画祭で最優秀女優賞の黒木華だ。絹の時代の光と影を、こぴっと(しっかり)演じてくれるだろう。
写真 「花子とアン」は、視聴率24.6%と絶好調だ。(NHKスタジオパーク・特設コーナーにて)
オリンパス OM-D E-M5 M.ズイコーデジタル12−50 ミリ F2.8
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