第158回 2回目の世界旅行 格安航空LCCで行くマレーシア、シンガポール
4月25日号
  自粛ムードで控えめだったゴールデンウイークの海外旅行も今年は活発なようだ。円高が引っ張り、格安航空運賃が後押ししている。
 この2,3年で、空の旅はさま変わりした。日本航空の破綻を脇に置いて、格安航空会社が次々に名乗りを上げ、日本−台湾数千円などと常識をひっくり返して、唖然とさせた。当初は茨城空港など地方からの出発だったが、全日空や日本航空が参入して、関空、成田、さらに今年7月からはエア・アジアが羽田を拠点とするという。
 パソコンを開くと、バンコク2万円より、クアラルンプール4万9880円などの刺激的な数字が並ぶ。1万5千円以上の燃料サーチャージを含む金額だから、さすがに安い。(国内線も4月中旬から運行を始めたジェットスター・ジャパンは、成田発新千歳が4590円〜1万6990円の12段階の料金設定だ。成田までの交通費を加算してもかなり安い。
 2回目の世界旅行のナビゲーションをお願いしているJCツーリストの内藤義夫さんといっしょにLCCにトライしてみよう。
 まず、フライトの予約だ。パソコンに向かってLCCを呼び出す。複雑でなかなか思うような便がとれない。えい面倒だ、とコールセンターで予約するとピーチ・アビエーション(ピーチクラス)の場合、手数料1050円、空港カウンターなら2010円かかる。予定変更はPCで3100円、電話で4200円、空港で5200円。あわて者が出発は大阪関空だと気づいて、購入したチケットのキャンセルをしようとすると100%チャージ、つまりできない。
 内藤さんは、クアラルンプールからシンガポールに飛んだときの経験を語ってくれた。「料金は3000円くらいで安い。飛行機もきれいで座席も少し狭いが小柄な日本人にはほとんど問題ない。席は自由席で、予約はそれぞれ料金が設定されています。食事も別料金で予約制。おにぎり持ち込みはOKです(笑)。手荷物には、1個目2100円、2個目3150円、3個目から4200円かかります。あまり買いものが過ぎないように(笑)。問題は、むしろホテルの予約でしょう。LCCはエアーだけですから。若い人は安くて便利なホテルを上手に探しているようですが・・・」
「マレーシアは、ランカウイやペナン島などリゾートもいいですが、世界遺産のマラッカへの小旅行をおすすめします。クアラルンプールからバスで2時間。1949年、この町からフランシスコ・ザビエルが日本へやってきたのです。そして、シンガポールまではは55分、列車で4時間。銀座が10個並んでいるみたいな空前のバブルの最盛期です。3棟のビルの上に打ち上げられたような舟の形の世界一大きな空中プールの下には、日本の大企業の御曹司が戦い破れたカジノが賑わっています」。

写真 大理石の床で昼寝の人々。マレーシアは回教の國、モスクは庶民の暑さと疲れを癒す場所なのだ。

ライカ M4 ズミクロン35ミリ

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