第114回 薬草蒸し体験記
6月10日号
   昨年暮れにソウルへ行ったときのことです。
 市中心のホテルまで運んでくれる送迎バスの同乗の客はいずれも女性で、2人連れ3組です。明洞までの40分ほど、彼女たちは年配も若い人もツアーコンダクターの韓国人女性に様々な質問を浴びせます。質問の中心はショッピングや観光などではなく、エステ関連で、特に「よもぎ蒸し」の最新情報を求める声が異口同音に発せられて、その好奇心と探求心にすっかり感心してしまいました。「よもぎ蒸し」はよもぎの精分が子宮から入ってきて、一度やれば4,5日は体の芯がぽかぽか温かいのだそうです。へえー、エステも随分進化、深化してるんだなあ、ときいていたのでした。
 銀座に「薬草蒸し」の 体験ショールームが出来ると聞いたのは5月のはじめでした。これはあの「よもぎ蒸し」のことか、と興味を持ちました。
 銀座1丁目のビルの10階、豪華な飾り付けの中にエステの部屋があり、網目の穴が開いたイスが3脚並んでいました。
 このイスと薬草蒸しを開発した馬面(ばめん)さんは、もともと土壌菌の有効利用を開発しようとして(株)バイオステージを立ち上げたそうです。3年前からハーブのスチーム効果を出せる機器とシステムの開発に取り組んで、ようやくこのyosaチェアが出来たんだそうです。「韓国のよもぎ蒸しとは違います」と言いますが、ヒントになったことは確かなようです。
 どこが違うのか。「1番苦心したのは、薬草の精分をどのようにスチームに乗せるか、です。水のクラスターを100分の1に細かくすることで、茶色のエキスがあがるようになりました。薬草は、キョンヒ大学の漢医学者安教授にお願いして、冷えに効果のあるガイヨウ(よもぎ)やトウキ、婦人系の悩みに対処するセンキュウ、肌のためにカミツレ(カモミール)やインチンコウ(かわらよもぎの花)など11種を配合した独自のものが出来て、医薬部外品の認可を取得しました」。韓国では保険がきくんですけどね、と残念そうでした。驚いたことに、すでに関西を中心に全国で1800カ所のエステや美容室、ネイルサロン、旅館で稼働中とか。東京はエア・ポケットかも知れません。
「1度体験してください」
「いいえけっこうです。男性にはあまり関係ないんでしょう?」
「60分のコースで、体脂肪が1−3%さがりますよ」
 スタッフの友田さんの勧めで、「では10分だけ」と、ついに体験することになりました。
 まず、体重や体脂肪をはかり、ちょっとくせのある緑茶を飲みます。紙のショーツにはきかえ、黒いyosaウエアを着ます。簡単なマッサージのあと銀色のマント(チタンエッジケープ)を着て、いよいよyosaチェアに座ります。スチームの温度は1から10まで。友田さんは2にセットしてくれましたが、あっという間に熱い湯気が体を包み、汗が出てきます。途中で水分補給の赤いジュースが出ます。体をずらして背中へスチームがまわるようにすると、その気持ちよさ! (yosaはこの《よさ》から命名したそうです)マイナス4℃のソウルの寒さを思い出しながら、60分を完遂しました。体脂肪はマイナス1.1%の効果でした。


写真(上) イスはプラスチック製と木製。スタッフの友田晴美さんがモデルになってくれた。
写真(下) 銀座サロンオープニングのパーティで挨拶する馬面賢一バイオステージ社長とプロデュースのホーピー山本さん(丸の内のペニンシュラホテルにて)
■yosa銀座サロン 中央区銀座1-6-1銀座クレッセントビル10F(tel:03-3561-4311) 料金1回7,350円、会員5,250円

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