第97回 TVウオッチング 独断流人相学
9月10日号
   日テレ26.4%、NHK24,7%、テレ朝9,88%。8月30日の衆院・選開票速報の視聴率です。以下、TBS 8.2%、フジ6,8%、テレ東2,4%と続き、単純に合計すると、78.3%となります。(ビデオリサーチ調べ)どこも素材は同じですから、途方もない数字というしかありません。もちろん筆者も深夜までTVにかじりついていた一人です。
 チャンネル・サーフィンしながら、思うことは、人の「顔の変化」です。喜怒哀楽で表情が変わるという段階ではなく、顔そのものが変わっていく。
 カメラマンを長く続けていると、人物写真が多いせいか自然に人相を見るようになります。観ると言うより感じるだけですが。
 たとえば間もなく首相になる鳩山代表。代表就任前と現在の顔の違いは誰の目にも鮮やかです。宇宙人的茫洋とした頼りない顔から、考え深そうな、したたかな顔になってきました。責任の重さから言えば当然のことでしょう。
 緊張の中でも、ふと笑顔になる時があります。気を許した瞬間、本性が現れるときです。鳩山さんのは、うぶで、しみじみした笑顔です。血液型O型。アメリカ・スタンフォード大工学部で学び、「信頼性工学」で博士号をとった。常盤貴子のファンで、おふくろさんを唄う。1986年、初当選の公約は「経済的に幸福感の地域的格差の是正」だそうです。今でもそのまま使えますね。
 わたしたちも、友と理想を語り合った若い日を思い出します。他愛もない夢でしたが、胸のどこかには残っています。
 外務大臣予定の岡田さんはどうでしょうか。はにかんだ少年のようです。しかし大きな目をギョロリ、はいいのですが、いつも横目なのはカメラマンとしてはノーです。しっかり顔の方向に目を据えてください。
 管さんは、笑うときはほんとに嬉しそうに笑う。で、怒るときもほんとに怒ってほしい。特に今度の仕事は政権の門を守る仁王の役目だから。
 小沢さんは、笑うとまるでハンカチ王子です。腫れ目とともに口許がややだらしなくなるのが色っぽくて、女性に人気の秘密でしょうか。
 自民党、麻生総理。口のゆがみはこの1年にますます目立つようになった。この口から、数々の失言、読み違えが出てきたのでした。
 女性では福田衣里子さん。存在感の強さ、目の力が際だっています。その笑いには深さがあります。
  存在感といえば、酒井法子さん。政権交代の陰で露出は少なくなりましたが、清純派だなんて、思っていた方の勘違いではないか。もし復活できれば、女優として度胸の据わった、修羅場をくぐって生きていく役に挑戦してほしいと思います。
 カメラをTV画面に向かってシャッターを切っていると、どんなときでも必ずターゲットを捉える報道系TVカメラマンの凄さが分かりました。彼らこそ、日々、修羅場をくぐっているんですね。

写真はすべてNHK.日本テレビ、テレビ朝日などTV 画面から。
TV を撮るときはシャッター速度を30分の1 以下にすること。

オリンパスペン E−P1 Mズイコーデジタル 14-42ミリ
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