第91回 2回目の世界旅行A ベルリン・ハンブルグ
6月10日号
ドイツ風ビールの飲み方
 新型インフル騒ぎは何だったのでしょうか。弱毒性ということが早くから分かっていて、6月8日現在日本での発症421例。死者はゼロ。日本だけのパニックぶりを、ニューヨークタイムスの電子版は、「マスクに手洗い、日本は偏執狂」と書いたそうです。因みに普通のインフルエンザにかかっている人は世界で170万人もいて、日本でも毎年死者が1万人もいるとか。厚労省は、年金問題そらしのチャンスとばかり大騒ぎしたとしか思えません。インフル騒ぎは何よりも旅行関係に大きな打撃を与えたようですが、当欄もあおりを受けて「2回目の世界旅行ドイツ編」が2回分遅れてしまいました。
 騒ぎの間にいいこともありました。7月からサーチャージがなくなりました。すっきりした気分で、出かけるとしましょう。
 ドイツといえば、最初はフランクフルト、ミュンヘン、ロマンチック街道など南ドイツのコースが多いようです。ナビゲーターの内藤義夫さんは、2回目はベルリンからハンブルグ、エリカの花咲くエリカ街道をお勧めです。
 ベルリンへ着いたら、とりあえずビール! しかし、オーダーしてもなかなか出てきません。
「約7分かかります。中には怒ってしまう日本の方もいます」と内藤さんは苦笑して「ドイツではビアグラスに正味量を示すラインがあり、泡が消えるのを待って2度3度注ぎ足すからです」。ドイツでは麦芽100%以外のものはビールではないので、日本産はサントリーモルツとエビス以外は、単にアルコール飲料にすぎないそうです。
 ビールを飲みながら、話題は、いまは歴史と観光のためのポイントを除いて跡形もなくなった「ベルリンの壁」やブランデンブルグ門や郊外のポツダムのことでしょうか。
 ふと横の席の紳士を見ると、2リットルのバケツのようなジョッキを傾けながら、傍らに置いたショットグラスのものを時々クイッとやっています。
 「キルシュ・バッサー(さくらんぼの水)をつまみに飲んでいるんです」
 「・・・・?・・・」  「50度ほどの蒸留酒です。これを続けたら日本人はたいていひっくり返ります(笑)。おつまみには、さくらんぼよりもへーリングという鰊の酢漬けがいいですよ(笑)。店ごとに味わいが違います」
 隣のジョッキには体温計のようなものが差し込んであります。
 「温度を測っているんですか?」  「あれは電熱器で、温めているんです。ドイツでは日本ほど冷やしません」
 さて、内藤さんがJALの支店長をしていたハンブルグです。
 「ハンブルグは最も古い町で、イギリス軍に徹底的に空爆されましたが、ほぼ完全に復元しました。エルベ河ぞいのレーパーバン近くのちょっといかがわしい通りですが、ここの元ストリップ劇場は、ビートルズがデビューした劇場です。ハンブルグの飾り窓は美人が多いので有名です」
 「ハンブルグと言えば、ハンバーグの発祥の地ですね」
 「そうなんですが、アメリカのものとは随分違います。ビールのバドワイザーも元はここのビールでした。おいしいものはたくさんありますよ。アイス・ヴァインは豚の関節の塩漬けでコラーゲンたっぷり。アールズッペンはウナギのスープ。日本などへの稚魚の輸出は禁止になってしまいました。ドイツでは土日は店が閉まってしまうので、その時はレーパーバンちかくのフィッシュマーケットへ。アメ横みたいで何でもあります。ただし、午前5時から始まって10時にはきっかり終わります。ドイツ人は規則を厳格に守りますから」

写真(上) ベルリンにて。脱出のためのスーツケースや、車のシートなどが展示されている。彼らの多くは見つかって射撃されて失敗した。東西ドイツを分けたベルリンの壁は1961年に建設を開始。1989年に崩壊した。東から非合法で壁を越えた人は5000人を超え、約3000人が逮捕された。死亡者は192人。

写真(下) ナビゲーターをお願いした、元JALハンブルグ支店長内藤義夫さん。
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