第88回 2回目の世界旅行@パリ カジノとホワイト・アスパラガス
4月10日号
  近頃の若者ときたら、車なんかいらない、旅行にも行かない。特に海外旅行は行きたいと思わない。外出したとしても18キップで日帰りか、深夜バスで弁当持参。「格差が拡大しているので、自家用ジェットで行く資本家と、エコノミークラスにも乗れない貧乏人に分かれてしまっている」(森永卓郎−週刊トラベル・ジャーナル誌より)。法務省の出入国管理統計では、2008年の出国者は1599万人で、前年に較べ131万人、7.6%の減少。特に20-30代の落ち込みが激しいんだそうです。アメリカ発の世界不況の連鎖でしょうか。
 しかし、貧乏な若者や自家用ジェット族でもないわれわれにとって、お得な情報があります。旅行代金の引き下げと、円高と、4月から燃料サーチャージの見直しです。特にサーチャージはヨーロッパ往復が7千円(日本航空の場合)。いままで4万4千円だったことを考えると、石油の高騰は何だったのかと、あきれてしまいます。  これはグッド・チャンスかも知れません。すでに海外旅行を何度か経験された方も、ちょっと大人の情報を仕入れて、さあ、ごいっしょに2回目の世界旅行に出かけましょう。
 最初は、フランス・パリです。ナビゲーターは、JCツーリスト副社長の内藤義夫さんにお願いしました。内藤さんは、日本航空パリ支店勤務の後、ドイツ・ハンブルグ支店の支店長を経験されました。先ずかねての疑問をぶつけました。「某旅行会社のチラシですが、同じパリ5,6日間で1枚は8万9千8百円−9万9千8百円、もう1枚は25万8千円−35万8千円です。出発日もホテルも違う、ゴールデンウイークだから仕方がないとして、問題はここからです。電話をすると、安い方はもう売り切れました、とすぐに高いものを勧めるのは詐欺行為としか思えません」。内藤さんは、「目玉を何枚用意してるんでしょうかねえ」と苦笑いで、「東京−パリで言えば、11月−3月のオフシーズン2万9千円の便もあります。燃料サーチャージを入れても、4万円でおつりが来る。しかし、5−6月のヨーロッパは最高のシーズンです。ゴールデンウイークを過ぎれば、5月9日(水)発10万1千7百円(往復航空券のみ)など10万円内外のフライトがあります。あとは快適なホテルを確保すればいいんです。
 最初の海外旅行は、定番の観光でその街全体を把握するのは必要なことでしょう。それに買いもので忙しい。でも2回目となれば、ちょっとディープなパリを探検したいと思われる方のために、シャンゼリーゼのカジノについて聞くと、内藤さんはちょっと慌てて、「あそこは公式なところじゃないかも知れない。パリの北西17キロの湖の畔の「アンギャン・レ・バン」というリゾート地に本格的なカジノがあります。パリからは車で30分くらい。20才以上でパスポートが必要です。」
 日本のオイチョカブに似たルールのゲームで、10ユーロ単位で遊んでいると、隣の高額テーブルからアラブの石油王子らしいのが気まぐれにやってきて、1万ユーロのギトギトのチップをひょいと置いていく。みなが恐れていっせいにおりてしまったことなど思い出します。実際、翌日の新聞には、アラブの誰それがやってきて、なん百万ユーロ負けたとか勝ったとかゴシップにしては大きな記事になっているんです。
 さて、パリといえば誰でもみんなグルメになります。この時期、おいしいものは?
「それはもう、何といってもホワイト・アスパラガスが旬です。レストランによってドレッシングが異なり、それぞれの食感で、安い。ほかにフランスパンがあれば、日本人のランチには十分です。これを食べにパリへ行ってもおかしくないほどです。」

写真上 パリ・クリニヤンクールの蚤の市にて。 最近はツアーも行かなくなった。掘り出しものがあるか?
写真下 ナビゲーターをお願いした内藤義夫さん。  お問い合わせは、JCツーリスト03−5348−6211まで。

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オリンパス E-620 ズイコーデジタル 14-54ミリ

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