第60回 アメリカが崩壊するとき
1月25日号
 ちかごろ新聞雑誌に「アメリカ崩壊」の文字が目立ちます。TVでも株安、円高ドル安の話題の行き着く先は「アメリカ崩壊」です。原因はサブプライムの破綻で、金融機関が巨額の損失、逃げ出したファンドマネーが石油やトウモロコシの先物買いに走った結果、生活を直撃して景気後退を招くという、墓穴を掘る話。・・・・ということぐらいは、経済音痴のカメラマンでも理解できます。
 カメラマンには、特にガソリンの高騰が痛い。機材の多いプロの撮影は、車無しではやっていけません。カメラ買うよりまず車、というくらいですから。
住宅を材料にしたサブプライムローンは、低所得者相手のローンで、何年かの後、20%を越える金利が設定されているとか。だいたい金持ちには安い金利、貧乏人には高い利息という発想は、リスクがどうのこうのと言うまえに、人間的に間違っているような気がする。イスラムの銀行は利息を取らない。イスラム法では金を貸して利息を取る者は死刑だそうです。銀行は金を借りる側との共同経営の形を取り、利益が出たら分け前を取るんだそうです。従って、実体のないものには融資できない。アメリカでは、住宅は住むものではなく、値上がりを待って売る、投機の道具だって言うんだから、一層おかしい。・・・何だか落語の熊さんみたいなことを言うようで恥ずかしいけれど、ご隠居さんはどう思いますか?
アメリカ崩壊とは、アメリカン・グローバリゼーションの破綻ということでしょう。ものやサービスなどの実体経済に取って代って、金融経済というマネーゲームがはじまり、世界中がホリエモン的症候群に罹ってしまった。日本でも規制緩和だとか、民間に出来ることは民間にだとか言って、格差を広げた。アメリカでは戦争も民間の会社がやっている。イラクでアメリカ側の死者は3千人プラス戦争会社の戦闘員が1千人、というではありませんか。ついでながら、イラク側の犠牲者は30万人とも言われます。
こんなことがいつまで続くわけがありません。ドル建て以外の取引が40%を越えたとか。ドルはもはや基軸通貨ではなく、石油本位制の時代だとか。
徳川幕府は300年、パックスロマーナ(ローマによる平和=統治)でも180年、といわれています。つまり1国の支配はいつかは崩れます。パックスアメリカーナが終焉に近ずいた、というのは確かなようです。
2001年11月のことでした。2036年からバックしてきたと称する男が、彼にとっては過去のことを話しました。われわれにとっては予言です。男の名はジョン・タイター。
タイターによれば、イラク戦争が起こり、北京オリンピックは中国内陸部の暴動のため中止。
アメリカでは初の女性大統領が生まれるが、2011年、内戦によりアメリカ合衆国は解体。2015年、ロシアがアメリカへ核爆弾を投下する。そして最後に世界を制覇したのは中国だ。というのです。2036年のタイター自身の時代は、アメリカは5つに別れ、平均寿命は60歳。
マイクロソフトもヤフーも存在していない。
はずした項目もあるようですが、イラク戦争は当たった。女性大統領も当たりそうです。

写真右 ニューヨーク・エリス島から自由の女神を見る。アメリカでは、すべての移民はまずエリス島へ上陸し、厳しい審査を受けた。
写真左 ニューヨーク・バッテリーパークにて。
オリンパスE−1 ズイコーデジタル14−42ミリ

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