第21回 AKB48 未来のスターたち 地熱の熱い秋葉原から
5月10日25日合併号
もう一ヶ月前、4月7日のことだ。民主党の代表選を前に、小沢、管両候補が会談したとき、管さんが 「アキバ」とか「萌え」を知っていますか、と聞いたという。小沢さんは「そんなもの知らない」と応えたそうだけれど、3月25日の本紙のこの欄「アキバ萌えメイド通り」を管さんは読んでいたのだろうか? せっかくだから、管さん、次は「AKB48」を話題にしてほしいものだ。
「AKB48」エーケービー・フォーティエイトと読む。これこそ変わり行く秋葉原の極めつけの存在だと言うが、一体何なのか?   電気街の中央通り、休日にはメイドたちが出て来るあたり、ドンキホーテの前に立つ。このあたりは〈電気街も変わった!〉と実感する地点だ。鳴り響く呼び込みの声をかいくぐって店内へ。あふれる商品の間を細いエスカレーターが通っている。1階はパチンコ、2階は食品と酒、3階スポーツ用品、4階はアダルトDVD、5階コスプレ、6階スロットマシン、7階玉突きとダーツ 、そしてようやく8階がAKB48劇場である。
取材を申し込んだとき「6時半までに入ってください。それ以後は入れませんから。入ったら出られません」と宣告されていた。何事かといぶかったが、答えはすぐに分かった。
 ライブハウス風のホールの一番うしろの壁を背にして開場を待つ。定刻に先ず7,8名の女性客が入って、専用席に座る。この女性客のほかはすべて男性だということが後で分かる。90ほどの席はたちまち埋まり、あとは全部立ち見席だが、開演時には満員電車状態となった。入ったら最期終わるまで出られないわけである。 10才から22才までのプロダクションに所属していない女の子、経験は不問。という内容で募集したところ、2万人の応募があったという。現在Aチーム20名、Kチーム17名が交替でステージに立つ。
 応募する女の子の相談相手になっているジミーさんは語る。「自前の劇場を持っているのは、日本では宝塚とAKB48だけですよ。秋元康さんが、そこへ行けばいつでも会える〈会いに行けるアイドル〉を作ろうというコンセプトで始めたそうです。歌と踊りはモーニング娘。を手がけた夏まゆみさんが1ステージに2‐3週間、1回5‐6時間をかけて厳しく教えていますから、しっかりしています。
芸だけでなく品も大切にしている。携帯で人気投票をやっていて、最下位は入れ替える厳しさですから、大スターが生まれるかも知れないねえ」
確かにステージは誰の目にもよく訓練されていることが分かるし、デビュー曲「桜の花びらたち」はオリコンのベストテンに入る勢いだ。
 最後尾の立ち見席で、ドラ声を張り上げている男性が掲げている紙切れには、「HKちゃんがカンヌ映画祭に出るまで応援するぞ」と書いてある。
 モーニング娘。に代わるアイドルたちの中から、大スターが誕生するだろうか?

写真(上・下) 歌と踊りははつらつとしてよく訓練されている。 スターは誕生するか?

オリンパスE-330 ズイコーデジタル14-54ミリ

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